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博物館紹介


博物館紹介 (1):大阪市立自然史博物館

和田 岳

 大阪市立自然史博物館は1950年に展示を開始したのが始まりで、50年以上の歴史があります。しかし、私が1994年に採用されるまで、鳥を専門とする学芸員はいませんでした。設立当初の会議の記録を見ると、他の博物館で力を入れている鳥類や哺乳類ではなく、植物や昆虫など他の生物群に力を入れるという方針があったようです。結果として、鳥類標本の収集にはあまり力を入れず、鳥の観察会などの活動もほとんどされてきませんでした。そういった意味では、鳥についての活動を展開しはじめたのは、まだほんの十数年程度の歴史しかないと言っていいでしょう。

◆所蔵標本
 2006年度末時点で、6241点の鳥類標本が登録されています。その他、卵や巣の標本、未登録の骨や液浸、剥製などを含めると、約7000点の鳥類標本を所蔵しています。さらに冷凍庫には、たくさんの鳥の死体が標本になるのを待っています。登録されている標本の約 1/3 にあたる2067点は、京都大学名誉教授の川村多実二のコレクションの一部です(残りは国立科学博物館にあるとされます)。日本周辺及び北アメリカ産(主としてミシガン州)の鳥534種が集められており、日本産の多くの鳥がそろっています。日本周辺産の標本の多くは、川村自身が採集したものの他、購入したものも多いのですが、採集者名の中には鹿野忠雄や今西錦司といった昔の京都大学関係者の名前も散見されます。このコレクションのリストは、大阪市立自然史博物館収蔵資料目録第37集として公表されていますので、詳細をそちらをご参照ください(各地の自然史系博物館にあります。また、通信販売で購入も可能)。

 川村コレクションのようなまとまった鳥類標本コレクションの寄贈はまれですが、近年多いのが学校からの寄贈です。戦前からの歴史のある多くの高校は、それなりに充実した生物標本を持っていました。しかし、近年、授業で生物標本が使われることはほとんどなく、理科室の片隅でほこりをかぶっているのが普通です。そして建物の改装・改築が行われる際に処分されます。この時点で処分に困って、博物館に相談されることが多いのです。こうした学校の標本はたいていほこりで黒くなっていたったり、陽に当たって白くなっていたり、虫にも喰われて、状態はよくありません。そして多くは、採集情報が最初から無いか、かつてはあっても失われています。残念ながらゴミとしか言えない物も少なくありません。しかし、なかにはトキやアホウドリなど採集情報がなくても貴重な物が含まれていることがあり、話があれば必ず何があるか確認して、可能な範囲で引き取るようにしています。現在、当館にはトキの標本が2点あります(いずれも朝鮮半島産とある)。いずれも処分されかねないところを、寄贈して頂いたものです。

 こうした標本の形での寄贈を受けるほか、鳥の死体を寄贈してもらって、仮剥製などにして保存しています。動物園などからの他、広く一般の方から死体を届けて頂いています。お金がないので、よほどの場合以外は、基本的には自分で皮を剥いて仮剥製にします。なかなか作業が追いつかず、冷凍庫に数多くの死体がたまっています(怖くて数えられません)。一人ではなかなか処理が追いつかないのですが、最近はなにわホネホネ団というサークルができ、メンバーの中の鳥好きな方々が、標本作製を手伝ってくださるようになっています。私が楽になるだけでなく、鳥の標本の作り手が増えることで、日本の鳥の記録が標本という形できちんと残るようになっていけばいいと考えています。もし、鳥の仮剥製をつくってみたい方がいたら、なにわホネホネ団までお問い合わせ下さい。

◆研究1994年以来、博物館の周囲の長居植物園を中心に、ヒヨドリなど果実食鳥類と果実との関係を調べています。その他に、大阪の鳥についての基礎的な情報を集めるべく、定期的に周辺のため池や河川の鳥のカウントを行うほか、広く呼びかけて大阪府周辺の鳥類の繁殖情報(主として繁殖期の生息情報)を収集しています。珍鳥情報ではなく、普通種のとくに繁殖状況を把握していきたいと考えています(情報募集の詳細は、http://www.mus-nh.city.osaka.jp/wada/bird-info.htmlをご参照ください)。

 また、1997年より大阪鳥類研究グループというサークルができ、サークルの活動として毎年、大阪府下の公園・農耕地・ため池・河川で繁殖する鳥の調査を実施したり、ミソサザイやコシアカツバメ、カワウなどの繁殖状況調査を行ったりしています(活動の詳細は、http://www.mus-nh.city.osaka.jp/wada/OBSG/OBSG.html)。2007年は大阪市内の公園43ヶ所の繁殖鳥の調査を行いました。この調査は1997年より5年ごとに実施しており、今回で3回目になります。今後も5年ごとに実施して、都市公園で繁殖する鳥の変遷を記録していきたいと考えています。

◆普及教育
 博物館の活動といえば、展示を思い浮かべる方も多いと思います。しかし、展示は博物館の普及教育活動の一部に過ぎません。展示に関しては、博物館のホームページに詳しいので、ここでは展示以外の部分について紹介します。

 1994年以来、毎年鳥の観察会を年間少なくとも10回程度は行っています。その他に2006年度から、「一歩進んだバードウォッチング」キャッチコピーに、鳥類フィールドセミナーという新しい鳥の行事を始めています。多くの鳥の観察会は、鳥を見つけて、鳥を見せて、名前を教えたらおしまいです。多くの参加者はそれで満足するし、それ以上の解説をする機会は限られます。鳥類フィールドセミナーでは、鳥を見て楽しむよりも、テーマを決めて、鳥の解説をすることを主眼にしています。もちろん鳥を目の前にしても解説しますが、30?60分程度の時間をとって、論文や本を使った鳥の生態や行動のレクチャーも行っています。こちらは、けっこう人気があって、毎回多くの方が参加されます。

 その他、鳥の調査に興味のある人、鳥の調査したもののデータをどう処理したらいいかわからない人向けに、勉強会も開いています。自分で調査をして、最終的には論文に仕上げるのが目標です。こちらは、あまり参加者は多くありませんが、その分、個人指導が可能です。興味のある方は、お問い合わせ下さい(wadatimg@mus-nh.city.osaka.jp)。

 ここまでに紹介した大阪鳥類研究グループやなにわホネホネ団以外にも、大阪市立自然史博物館の周辺では数多くのサークルが活動を展開しています。その代表格が、大阪市立自然史博物館友の会です。こうした博物館と関わりのある団体を中心に、数年に一度、大阪自然史フェスティバルというイベントを開催しています。今年は、鳥関連団体だけが集まって、大阪バードフェスティバルを開きました。毎年開催するのは大変なので来年はありませんが、また3年後くらいに開催予定です。

 博物館は、大学よりもはるかに多くの人に開かれており、さまざまな人と関わる機会の多い施設です。落ち着いて研究をするには向かないかもしれませんが、科学の普及、地域の自然情報の蓄積の場として、博物館は大きな役割を担うことになると思います。


受付日2007.09.28

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自由集会報告


ガンカモ類重要生息地ネットワーク支援鳥類学研究者グループ第9回集会
「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ( E A A F パートナーシップ)の発足と協力 ?日韓のガンカモ類の共通点・特色、韓国で開催される第10回ラムサール条約締約国会議を控えて?」報告

企画:神谷 要・呉地正行・岸本伸彦・須川 恒
文:神谷 要


 東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク(ガンカモネットワーク)は、1999年5月14日、コスタリカの第7回ラムサール条約締約国会議において、アジア・太平洋地域渡り性水鳥保全戦略の三番目のネットワークとして設立された。これを支援するために、ガンカモネットワークの活動を支援する鳥学研究者のグループ( J O G A )を設立して、毎年日本鳥学会大会で自由集会を開催している。2006年に、アジア・太平洋地域渡り性水鳥保全戦略を発展的に解消され東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(以下 E A A F パートナーシップ)が発足した。

 2008年秋には、韓国南部の昌原(??)で第10回ラムサール条約締約国会議が開催される事となっている。東アジアで開催される2回目の締約国会議であり、日本近隣国の湿地保全をすすめる上で、大きな機会となるであろう。今回は第9回目の J O G A 9 として、水鳥に関する国際的協力関係の枠組や最近の連携関係を紹介していただくとともに、隣国である韓国と日本のガンカモ類に関する研究や保全研究のケースワークを、韓国から参加いただいた研究者を含め紹介していただき、日韓さらに東アジアのガンカモ類研究と水鳥生息環境の保全活動に向けての課題を探った。

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図1.東アジア・オーストラリア地域における渡り性水鳥重要生息地.
「世界水鳥個体数推定 第四版の日本語版公開、および E A A F パートナーシップの発足について」岸本伸彦 (財団法人日本野鳥の会自然保護室)
 重要生息地のネットワークといっても、どこが重要であるのか基準が必要である。ラムサール条約の湿地選定基準6では、水鳥の生物地理学的個体群の 1 % 以上の個体が飛来する湿地を、国際的に重要とみなすという基準がある。この基準を運用するために国際湿地連合が発行したものが「世界水鳥個体数推定」であり、ネットワークの重要生息地の選定はこれをもとに飛来する水鳥の個体数から行われている。2006年には、今まであった水鳥保全戦略のシギチドリ・ツル・ガンカモの三種群のフライウェイネットワークが衣替えし、東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(E A A F パートナーシップ)が立ち上った。ガンカモネットワークはこのパートナーシップへ移行し、種群を超えたネットワークが構築されて行くことになっている。

「アジア水鳥センサスとモニタリングサイト1000について」阪口法明 (環境省生物多様性センター)
 モニタリング1000は、わが国の代表的生態系の状態を継続的にモニタリングすることで、種の減少、生態系の劣化など、自然環境の異変をいち早く捉え、適切な生物多様性保全施策に貢献することを目的としている。水鳥に関しては、その結果を国際的なプログラムであるアジア水鳥センサスに提供し、連携を図っている。

「韓国の水鳥に配慮した農法を支援する法制度と日本の現状」呉地正行 (日本雁を保護する会)
 韓国では、法律で制定された地域で環境に配慮した農法を行うと、農家に補助金を支払う法制度がある。日本においては、食害補償、または食害に伴う追加農作業を支援する制度があるが、国、都道府県による環境面からの支援制度は現在存在しない。2008年に韓国で開催されるラムサール条約をより充実させるためにも、韓国の事例を精査検討し、新たな施策の実現が求められる。

「2つの湿地に生息するハクチョウ類の生息パターンの比較研究:ナクトンガン河口(韓国)および中海(日本)」 Lee Chan-woo (韓国ラムサールセンター)
 韓国プサン周辺の湿地と日本の中海周辺の湿地でハクチョウ類の越冬体数の変動を共同で調査した結果をもとに、日韓でハクチョウ類の主な餌植物や採食場所に差があり、それが越冬個体数の変動に差となって表れている。

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図2.日韓合同トモエガモカウント調査結果(左:2004年1月,右:2005年1月).
「ガンカモネットワークにおけるトモエガモプロジェクトの活動について」田尻浩伸 (財団法人日本野鳥の会・加賀市鴨池観察館)
 ガンカモネットワークのもとに行われた「Baikal Teal Task Force (トモエガモタスクフォース)」の活動である「日韓の越冬個体数調査」により、韓国西海岸にはトモエガモの越冬個体群が集中していることが確認され、日本国内にもいくつかの重要な飛来地があることがわかった。またトモエガモ個体群とその生息環境の保全計画を策定する上で必要な情報について紹介した。

 

今後の課題
 このように、ガンカモネットワークは、行政だけでなく研究者や NGO などの様々な主体を含んでおり、研究・保全などのプログラムを動かす上で基本となる人的関係を作っているといえる。今後ともネットワークによるさまざまな情報交換が有益と考えられる。 現在、日韓に関してはガンカモ類に関して、比較的多くの協力や研究がなされているが、このような関係をフライウェイ全体に広げることが今後の重要な課題であろう。

関連ウェブサイト
J O G A ホームページ (http://www.jawgp.org/anet/jgprop.htm)
 今回の要旨も含め過去9回の要旨と英語の表題を示している。
E A A F パートナーシップ (http://www.sizenken.biodic.go.jp/flyway/)
環境省モニタリングサイト1000 (http://www.biodic.go.jp/moni1000/index.html)
アジア水鳥センサス (http://www.wetlands.org/articlemenu.aspx?id=8fb450de-f760-42bb-8337-c9942a41d5fc)
Ramsar Wetland Center Korea (http://www.gndi.re.kr/ramsar/index.htm)
トモエガモプロジェクトチーム (http://www.jawgp.org/anet/anafo600.htm)


受付日2007.10.06

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鳥類の餌資源利用?物質循環を念頭に?

企画:嶋田哲郎 (宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団)・溝田智俊 (岩手大学農学部)
文:嶋田哲郎

 高い飛翔能力をもつ鳥類は地域内,地域間の生態系の物質循環に大きく関与します.前回の自由集会では,鳥類の生命活動にともなう生元素,とくに窒素の循環と動態解析について議論を深めました.一方で,鳥類の物質循環への関与の程度は栄養段階,採食生態の違いなどによってさまざまです.また,鳥類は生息期間全体にわたってその環境の物質循環に関与すると考えられるため,長期的な視野で鳥類の食物資源の消長,採食活動を知ることが重要となります.今回の自由集会では,さまざまな栄養段階に位置する猛禽類,魚食性,植物食性鳥類の食物資源利用について理解を深めることを目的としました.当日は36名の参加をえて有意義な議論がなされました.

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写真1. 大豆畑で採食するマガン.
植物食性鳥類の餌資源利用?マガンを例に? (嶋田哲郎・溝田智俊)
植食性鳥類のマガンはねぐら周辺の水田地域で活動するが,採食場所は大きく分けて水田,大豆畑,麦畑の3つがあり,それぞれの割合は61.8%,6.7%,2.7% (2005年)であった.水田でみると,マガンは田面の籾と畦の草本類を採食しており,両者間のエネルギー獲得量を比較すると,越冬初期は田面でエネルギー獲得量が高かったが,季節がすすむにつれ,畦でエネルギー獲得量が高くなり,それに応じてマガンの環境選択も変化した.また,大豆畑の現存量は平均290 kg/ha (N=11),麦畑では404-1470 kg/ha (N=4)あり,それぞれ11月下旬?12月中旬,1月下旬?2月上旬に利用された.大豆畑と麦畑の面積は少ないものの,落ち籾資源量の減少,大豆の刈り取り時期,麦の生長時期に対応して,採食環境を使い分けていることが示唆された.

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写真2.酸欠で浮上するモツゴ.
サギ類のエサ利用 (佐原雄二 [弘前大学農学生命科学])
 エサ動物の利用しやすさの変化は季節的なものばかりでない.エサ動物の,一日のうちでの行動変化に対応した採餌場所とエサ内容のスイッチングを,ゴイサギ,ヨシゴイについて検討した内容を講演いただいた.ゴイサギは河川ではウグイやオイカワなどコイ科遊泳魚を,水田ではドジョウを主にとっている.コロニー下で吐き戻された魚類をみると,朝(夜間に採食したもの)には水田地帯由来のもの,夕方(昼間に採食したもの)には河川由来のものが多かった.これは水田に多いドジョウは夜行性であること,河川のコイ科遊泳魚は昼行性であることに対応していると考えられた.ヨシゴイは,水田と浮葉植物(ヒシ)の繁茂する池を採食場所として利用する.この浮葉植物は夏の早朝に酸欠をもたらし,それによってモツゴなどの魚類が酸素を求めて水面へ移動する.ヨシゴイは早朝の酸欠の時間帯はため池を利用し,酸欠が解消される日中には水田で採食活動を展開した.

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写真3.オオズグロカモメのコロニー.
カモメ属の餌資源利用解析:西シベリアの事例 (溝田智俊)
 西シベリア・チャニー湖周辺で繁殖する3種のカモメ類(カモメ,キアシセグロカモメ,オオズグロカモメ)の餌資源利用について,普段は目にすることのできない雄大な写真とともに解説いただいた.カモメはこれら3種のうちでもっとも小さく主にバッタ類などの昆虫類食性,キアシセグロカモメは中型で,生ゴミ食であること,オオズグロカモメはもっとも大きく,フナ類などを採食する魚食性であった.このうち,キアシセグロカモメは地中海沿岸,東ヨーロッパで最近急速に個体数を増大させていること,環境適応能が高いこと,雑多な餌資源を利用すること,鳥類の卵や雛を捕食する問題が惹起していることなどが報告された.

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写真4.雛にカナヘビを与える親.
サシバの採食特性と餌資源利用からみた繁殖地としての谷津田の評価 (東淳樹 [岩手大学農学部])
 サシバの生息環境に関するアンケート結果をみると,サシバの生息環境には森林と水田の組み合わせが8割近くも含まれ,両者が重要な生息環境となっていた.また採食行動をみると,巣から 475 m の範囲を集中的に利用し,活動時間の9割をパーチで滞在するパーチ採食性猛禽類であった.サシバの餌資源をみると,カナヘビやトカゲなどの爬虫類,トノサマガエルやアカガエルなどの両生類,バッタ類などの昆虫類が多かった.季節変化をみると育雛前期では地面で爬虫類や両生類などを採食し,後期では斜面林で昆虫類を採食し,植生密度の増加にともなう採食可能資源量の変化がその要因と考えられた.パーチ採食性猛禽類であるサシバの採食特性の観点から,繁殖地としての谷津田の環境構造について議論された.



受付日2007.10.18


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第12回 ちょっと長めの話を聞く会

世話人・文:中村雅彦 (上越教大・生物)

「ちょっと長めの話を聞く会」のねらい
 立教大学での1991年度大会で始まった「ちょっと長めの話を聞く会」も今回で12回目となりました。この会は1991年度大会から2001年度大会まで11回連続して開催されていましたが、日本大学歯学部で開催された2002年度大会から岩手大学で開催された2006年度大会まで5年連続で休眠状態でした。これではまずいということで、私が自主的に世話人を引き受けました。

 この会の主旨は、この会を立ち上げた初代世話人の山岸哲さんが1992年度大会講演要旨に書いてあるとおりです。2代目世話人の藤岡正博さんがその主旨を上手にまとめているので、そのまま掲載します。第1の目的は、最近学位論文をまとめた研究者に研究の全体像や哲学を話してもらうことで「専門分野での研究到達目標はこんなもんですよ」ということをアマチュアの研究者につかんでもらう。第2に、学問的議論をじっくりやる。そして第3に、全体像を話すことで発表者本人にもなにがしかのものを得てもらう。

 世話人が替わったからといって基本的な主旨は変えません。初代世話人の山岸さんは、「私自身がアマチュア時代に最も困った点は、その分野での自分の研究の当面の到達目標をどのレベルにおいたらよいかが、大学の外にいると知りにくいことであった」と趣旨説明の中で述べています。最近、博士号を取得した若手研究者の話は、研究の到達目標を知るうえで学会員にとっては最高のチャンスになると思います。

講演の内容
今回、講演をお願いした若手研究者は天野達也さんでした。天野さんは、東京大学ですばやく学位を取り、すばやく独立行政法人農業環境技術研究所の研究員となった方で、二代目世話人の藤岡さんの言葉をかりると「非日本的エリート鳥学者」です。天野さんのホームページをご覧になればわかりますが、20歳代にしてすでに国際誌に多数の論文が掲載されており、その実力は折り紙付です。

今回はマガンを材料とした博士論文の内容をやさしく話してもらいました。タイトルは「マガンの行動予測モデルの構築と保全管理問題への応用」でした。北海道宮島沼がフィールドです。まず、宮島沼に生息するマガンの採食時における意志決定則を明らかにし、それに基づいて行動を予測する行動ベースモデルを構築した話をしていただきました、さらに、完成したモデルからマガンの保全管理と農業生産の両立を目指すための具体的な農地管理手法まで発表してもらいました。途中で質疑を取り入れながらの講演でしたが、2時間まるまる使った内容の濃い発表でした。

全体の雰囲気
 鳥学会の参加者が増えるにつれ、学会員の関心も多岐にわたるため自由集会そのものの数が増え、今回の「ちょっと長めの話を聞く会」に参加した人数はさほど多くはありませんでした。もともと「ちょっと長めの話を聞く会」に参加する人は多くはないのですが、参加者にはやはり若手がめだちました。若手ではない参加者の中には、私以上にこの自由集会の意図を認識されている方がたくさんいて、天野さんに「研究の初めに読んだ本は何なのか」、「テーマ設定のいきさつを知りたい」など世話人がいわなくてはならない質問をこれら参加者から天野さんにしていました。

最後に
 毎年、鳥学会に参加していると私自身、今まで知らなかったテーマや方法がどんどん発表されています。今回の大会シンポジウムやミニシンポジウムで発表のあった分子を使った系統地理分析の手法や日本鳥学会研究奨励賞を受賞した富田直樹さんのテーマである Maternal effect などはその例です。こうした方法やテーマは、短い時間の口頭発表やポスター発表では全体像を理解することはなかなか困難です。私自身が理解していないテーマや方法で最近学位を取得した若手に次回の発表をお願いし、私の勉強の場にしたいというのが、実は世話人という名を借りた私個人のこの自由集会の目的なのです。



受付日2007.10.21


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やんばると奄美の森で?琉球列島における固有種保全の取り組み?

企画:水田 拓 (環境省奄美野生生物保護センター)・小高信彦 (森林総合研究所九州支所)
文:水田 拓


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たくさんのご出席ありがとうございました.
【はじめに】
 この自由集会は、やんばるで固有鳥類の研究を行っている小高信彦氏の発案をもとに、小高氏と奄美大島在住の筆者が共同で企画した。やんばると奄美はともに多くの固有種が生息しており、これらを保全するために解決すべき問題にも共通点が多い。両地域で活動しているNPO法人や研究者が話題を提供することで、今なにが問題になっており、どのような取り組みがなされているのかを概観し、両地域間で情報交換を行うことがこの自由集会の目的である。以下、各発表の内容を簡単に紹介し、今回の自由集会を振り返りたい。

【発表の要約】
趣旨説明「なぜやんばると奄美か」 小高信彦 (森林総合研究所九州支所)
 今大会シンポジウムの発表で紹介されていたように、南西諸島のなかでも沖縄島北部のやんばると奄美を中心とする中琉球は、固有鳥類に関する基礎研究を行う場として非常に魅力的であるとともに、保全に関する問題が山積している。2006年12月22日に発表された環境省によるレッドリストでは、やんばると奄美の両地域に生息する固有鳥類について対照的な見直しがなされた(環境省報道発表)。やんばるに生息するヤンバルクイナやホントウアカヒゲはレッドリストのランクが上がり、奄美の固有鳥類の多くはランクが下がった。奄美での成果は、森林環境の回復と、環境省などによる外来種対策の成果などによると考えられているが、引き続き今後のモニタリングや外来種対策をはじめとした保全への取り組みの継続が求められている。今回の自由集会では、普段の鳥学会ではなかなかじっくりと話を聞くことのできない地元で活動する NPO 関係者にも活動内容を発表してもらうことで、両地域の固有種保全の取り組みや共通の問題点について紹介していきたい。この自由集会を機により多くの鳥学会員が、やんばると奄美の固有鳥類保全への取り組みに関心を持って頂ければ幸いである。

発表1「アマミヤマシギ保護増殖事業の取り組みでわかってきたこと」 鳥飼久裕 (NPO 法人 奄美野鳥の会)
NPO 法人奄美野鳥の会が行っている調査・研究のうち、アマミヤマシギのモニタリングについて紹介する。
(1) 全島センサス:毎年3月と6月に、奄美大島・加計呂麻島・徳之島全域の林道に出現するアマミヤマシギの全個体数をカウントしている。出現個体数は毎年ほぼ同じで、6月には若鳥が出現するため個体数が増加する。マングースの密度が高い地域では本種が観察されず、捕食の影響が示唆されている。
(2) ラジオテレメトリー調査:本調査では主に雌の行動圏に関する結果が得られている。行動圏は5?15ヘクタールで、冬期は山の中、春は山麓の沢沿いやブッシュ、秋は農耕地と、季節的に移動していることが確認されている。春には雌はほとんど移動せず、繁殖を行っているものと推察され、その期間は12週間程度である。
(3) 標識・行動観察:2003年以降、足環により識別した個体を追跡している。林道への出現個体数は4?5月が多く、秋以降急速に減少する。雌雄および若鳥の出現状況から、つがい形成は3?4月、雌が繁殖にはいるのは4?6月、若鳥の独立・分散は8月半ば以降と考えられる。調査は山林と農耕地が隣接する地域で行われており、比較のために現在農耕地が隣接しない山林でも調査を行っている。
 奄美には大学や研究機関がなく、奄美野鳥の会によるこのような調査・研究は重要である。地元の人間が行っているため長期的・継続的な調査ができ、参加者の熱意次第で精密な結果を得ることが可能である。また調査結果は地元における自然保護や環境教育に資するものである。反面、島という隔離された環境のため、調査技術の向上や情報交換といった点でデメリットも存在する。今後、他の地域で保全に関わっている人たちとも情報交換をしていきたいと考えている。

発表2「奄美大島の固有種オオトラツグミの生息状況と個体数推定」 水田 拓 (環境省奄美野生生物保護センター)
オオトラツグミは奄美大島のみに生息する固有鳥類で、トラツグミの亜種とされているが、体サイズ、尾羽の枚数、さえずりなどが異なり、独立種として扱われることが多い。今回は奄美野鳥の会による2007年の調査の結果を用いて、本種の生息がどのような環境要因によって規定されているか、個体の分布と環境要因から推定される生息個体数がどれくらいかを調べた。調査の結果、奄美大島全域で少なくとも250個体のさえずりが確認された。3次メッシュごとにさえずり個体数をカウントし、個体数の多寡に影響を与えている要因を調べたところ、平均標高と平均林齢が選択される重回帰式が得られた。特に平均林齢は個体数の多寡に有意な影響を与えており、林齢が高いほど個体数が多いことがわかった。アマミヤマシギで見られたようなマングース密度との直接的な関係は見られなかった。重回帰式から個体数を推定すると、島内の推定生息域の全域で773.81個体、小数点以下を切り捨てると502個体という値が得られた(さえずるのが雄のみであれば、推定値はこの倍)。ただし、今回得られた重回帰式の精度は低く、結果として推定値の精度も低い。今後は、調査の範囲の拡大とともに、個体の分布により大きな影響を与えていそうな環境要因の抽出や分析方法の再検討などが必要である。
なお、オオトラツグミさえずり個体一斉調査についての詳細は、奄美野鳥の会のホームページで閲覧できる。

発表3「今、やんばるの森で起こっている事、そして今しか出来ない事」 長嶺隆 (NPO 法人 どうぶつたちの病院)
ヤンバルクイナ保全のために、どうぶつたちの病院が市民の協力を得て行っている活動を紹介する。
(1) 本種にとって脅威となるノネコを減らす対策が、国頭村安田(あだ)区を中心に始まり、さまざまな活動が展開されている。「環境省飼養動物との共生推進総合モデル事業」で、やんばる全域の飼い猫にマイクロチップ埋め込みと不妊手術が施されるようになり、事業が発端となって三村でネコの適正飼養条例が制定された。ノネコの捕獲に批判的であった愛護団体もシェルターを作り、飼い主のいないネコの里親探しを行っている。2002?06年の間に約600頭が捕獲され、やんばるのノネコの数は激減した。なお、捕獲されたネコは1頭も殺処分されていない。
(2) 交通事故対策として、ヤンバルクイナ救命救急センターを設置し事故個体の救護にあたっている。リハビリセンターの建設では、地元のホームセンターの協力を得て、建設資材の赤レンガを市民に購入してもらうキャンペーンも展開した。
(3) 分布を拡大するマングースの侵入を防ぐため、市民の協力を得て、国頭村内に周囲約 2 km、面積137,000 m2の囲いを設置した。現在囲いの中ではヤンバルクイナが繁殖し6個体以上の生息が確認されている。
(4) 推定個体数が1000羽以下となったことを受け、環境省では飼育下繁殖実施の計画を定めている。現在4ペア8個体の他、交通事故による救護個体など合計20羽が飼育されており、緊急保護された卵の人工孵化にも成功している。さらに、誕生した6羽の雛は繁殖も行っていることが確認されている。
 野生生物保護のためには、できることを、大きな声で・わかりやすく・持続的に伝えていき、できるだけ早く実践して小さな成功を積み重ねていくことが大切である。このためには、行政、専門家、市民、NGO等が協力し合っていくことが重要であろう。

発表4「ヤンバルクイナ生息状況の調査手法」 尾崎清明・馬場孝雄 (山階鳥類研究所)
ヤンバルクイナ保護のための基礎研究として、以下のような調査を行っている。
(1) モニタリング:音声再生に対する反応を利用したモニタリングによると、分布域は1985-86年の調査に比べ明らかに縮小していた。2004?06年の調査では、分布の南限はあまり変わらないが分断化が進んでいる。特に、米軍のヘリパッド建設予定地は本種の分布の南限に当たるため、注意が必要である。
(2) 外来生物の影響:マングースの拡散とヤンバルクイナの分布域の縮小には対応関係が見られる。本種の分布とマングース・ノネコ・クマネズミの分布の間の関係を見たところ、マングースの影響が明瞭であった。
(3) 個体数推定:音声プレイバックの届く範囲、プレイバックに対する反応率、推定生息域の面積を考慮し計算した結果、2005年の個体数は580?930羽と推定された。
(4) 行動圏・繁殖生態:ラジオテレメトリー調査によって、追跡した33個体のうち 31.3 % がハブやカラスに食害されていたこと、マングースの存在の確認された場所で繁殖前に行動圏が大きく移動した個体がいたこと、5 km もの長距離を移動する若い個体がいたことなどがわかっている。また、平均の産卵日4月21日、平均抱卵日数20.6日、平均一腹卵数4.1卵、平均孵化数2.3卵(放棄された例を除くと3.5卵)などの基本的な繁殖生態が明らかになっている。
(5) 遺伝的多様性:ミトコンドリアDNAのハプロタイプを調べると1?6型があり、ハプロタイプ多様度は0.55程度であることがわかった。
 今後の課題として、個体数推定の精度向上、ラジオテレメトリー調査のデータ解析、生息域減少のメカニズム解明、遺伝的多様性調査の推進、自動撮影カメラによるモニタリングの推進などが挙げられる。

コメンテーターによる総合コメント 石田健 (東京大学大学院農学生命科学研究科)
やんばると奄美の固有種保全をめぐる状況は、林業の不振による伐採の減少、外来生物対策の進展など、社会情勢の変化により昔に比べれば格段に改善されている。また、NPO や市民が調査を行い、証拠をとりつつ行動する保全活動が実践されている。
 昨年12月のレッドリスト見直しによって奄美の固有鳥類のランクが下がったが、「ランクが下がる」のは絶滅の危険が減ることであり、その種にとっては「出世」であると考えてよい。ただし、絶滅の危険が減ったから放っておいていいわけではなく、今後も対象種のモニタリングを続けていくことが肝心である。市民・NPO・行政・研究者が連携して、今後も保全活動を推進していく。

【まとめ】
 会場からは、個別の発表に対して、分析手法に関するコメントや両地域に共通する問題であるマングースについての質問など、有意義な意見が多数出された。個別の質疑応答に時間をとりすぎて総合討論の時間がとれなかったのは残念だったが、各発表から両地域の固有種をめぐる現状を理解してもらえたかと思う。
 奄美と沖縄には、固有種保全に関心を持つ専門家やNPO法人などがそれぞれ存在している。しかし両地域は、海で隔てられていること、行政区分が鹿児島県と沖縄県に分かれていることなどから、地理的に近い割にこれまであまり情報交換がなされてこなかったように思う。今回の自由集会を機に、両地域で保全に関心を持つ人たちの交流が深まることを期待したい。
 最後になりましたが、学会最終日の最後のプログラムであるにも関わらずお越しいただいた参加者の皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。



受付日2007.10.23


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学会印象記


アマチュアからみた学会印象記

木村 麻美子 (和歌山市)


 2007年鳥学会終了後、「アマチュアの方からみた印象記を書いていただけないでしょうか」とご連絡をいただきました。「アマチュア」の言葉通り、私は研究・調査をまだ始めて日が浅いのですが、そんな私の意見でも何かお役に立てるのならと思い、率直な印象・意見を書かせていただくことにしました。

 まず、口頭発表についてですが、大会2日目に40発表(2会場で各20発表ずつ)と大会4日目に13発表の計53の発表がありました。発表の順番が、似たような種やテーマできれいにまとめられており、興味のある内容の発表を続けて聞けるようになっていました。発表者の発表時間の配分もとてもうまかったように思いました。会場を移動しても次の発表に間に合い、きっちり聞くことが出来たのがとても良かったです。発表内容も多彩で興味深いものが多く、私自身とても良い刺激を受けました。ただ一つ気になったのが、会場の大きさでした。一つの会場は、とても広くいつも席に余裕があるのに対し、もう一つの会場は、少し狭く席数も少なかったようでした。時々廊下にまで人があふれてしまっていました。

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写真1.ポスター会場.
 次に、ポスター発表についてですが、全部で99の発表がありました。口頭発表に比べ数が約倍近くあり、単純に多いな?という印象でした。案の定、私は見たい発表分だけでも見きれませんでした。ポスター発表は、自分のペースで発表をみることが出来、質問もしやすく、素人の私にとってとてもありがたい嬉しい発表です。もし可能なら、ポスターを大会終了まで貼っておいていただけると、少しでも時間が出来たとき、もう1つ2つ発表を見ることが出来るのではないかと思いました。

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写真2.大会シンポジウム.
 大会シンポジウムは「希少鳥類から見た南西諸島の生物地理」で、九州に来たことを思わせるようなタイトルでした。まず、生物地理の話から始まり、南西諸島に鳥たちがどのように入ってきたかが大変良く分かりました。その後、ノグチゲラやアカヒゲといった南西諸島の鳥たちの、特徴や分布の謎を解くような話が続き、とても興味深い内容で聞き入ってしまいました。最後にあった質疑応答の時間がたっぷり取られており、そのやり取りを聞いているだけでも、大変面白く勉強になりました。

 懇親会は、大学の広い学生食堂で行われました。学会中に、まだあいさつぐらいしか出来ていない方々とゆっくりお話をしたり、色々な方をご紹介いただいたりと、懇親会は私にとって大変貴重な時間となり、あっという間に時が過ぎました。熊本ということで、名産の馬刺しや辛子れんこんなどの料理も並び、特に馬刺しは、乾杯の後瞬く間に無くなってしまいました。とてもおいしかったです。

 また、大会4日目にはミニシンポジウム「島の鳥」がありました。内容は大きく2つに分かれており、前半が小笠原諸島の話でした。大変な島の調査には、新たな発見がある可能性が高い、ということを実証した発表があり、私も少し島の鳥を調べているため、とても心躍る発表で感銘を受けました。後半は系統地理の話でした。系統地理については、実はきちんと理解していないまま、今まで色々な発表を聞いていたところがありました。始めにその基礎的な説明が少しされていたことで、DNA の面白さ、奥の深さを改めてわかった気がしました。そのため、後の発表もすんなりと理解することが出来、とても収穫のあったニミシンポジウムでした。

 また、大会4日目の午後と次の日にかけて行われた「鳥の学校」にも参加しました。初日のテーマは「測りまくる」で、そのテーマ通りの内容でした。最初は正直とまどいましたが、無我夢中で骨を測り、自分で作成したグラフから、新たに渡された骨の種を、同定出来たときは、本当に目からウロコでした。後日メールで送られてきたものが、その日に提出したデータやグラフを、とてもきれいにまとめられたもので、大変感激しました。2日目は「作成る日」ということで、比較解剖のコースを選択しました。まず、サンプルの種類と数の多さに驚きました。一度にあれだけ沢山の種を見比べられる機会はありません。それらの違いを見ているだけでも、大変楽しかったです。実際に解剖を行う前に、まずデータや計測した結果を残すことがとても重要だと教わり、その後、説明を受けながら解剖に取り掛かりました。最終的には、骨格標本にするため骨だけの状態までにして提出しました。私は2個体分、多い人では3個体分作っていました。「鳥の学校」は、2日間とも大変濃い内容の実習で、とても貴重な体験が出来ました。次回も、このようなサンプルや道具が揃っていないとなかなか出来ないこと、専門的な方に教わらないと分からないことなどを中心に、ぜひやってほしいです。

 最後に、2007年の鳥学会は私にとって大変実のある学会でした。来年もぜひ参加したいと思います。そして、地元関西での開催を期待しています。



受付日2007.10.25

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日本鳥学会2007年度大会に参加して

鳥飼久裕 (NPO法人奄美野鳥の会)


 熊本大会のシンポジウムのテーマが南西諸島の希少種になりそうだ、と奄美野生生物保護センターに勤務されている水田拓さんから聞いたのが5月くらいだったでしょうか。それはおもしろそうだなと思っていたら、水田さんから突然お誘いを受けたのです。せっかくの機会だから自由集会で奄美の鳥のアピールをしませんか、と。

 奄美野鳥の会では、環境省の推進する希少野生動植物保護増殖事業の一環として、アマミヤマシギの調査を請け負っています。また、東京大学の石田健さん指導の下、過去14年間にわたって毎春全国からヴォランティア調査員を集めて、会独自のオオトラツグミのさえずり一斉調査を行なっています。これらを知らしめるには、たしかに学会発表は有効かもしれません。しかし、なんといっても学会です。アマチュア研究者には敷居の高い晴れ舞台です。すぐに了承はしたものの、いざ発表するとなるとすっかり腰が引けてしまいました。

 私が参加したのは22日の午後のプログラムからでした。最初に飛びこんだ口頭発表の教室では、ひとり15分の持ち時間で演者の方が次々と講演をなさっています。かくも慌ただしいのか、というのが第一印象でした。限られた日程で50題以上もの発表をこなすにはこのやり方がふさわしいのでしょうが、初参加の自分にはとまどう部分も多くありました。あまりに発表時間が短いので、十分に内容を咀嚼できないうちに次の演題がはじまるというケースが多かったからです。オーディエンスに消化不良を起こさせないために重要なのはプレゼンテーション能力だなと痛感すると同時に、自分の発表の先行きが不安になってきます。はたしてうまく発表できるでしょうか。

 口頭発表に比べると、ポスター発表は研究者の方とじっくり話ができるよい機会でした。22日の午後と23日の午前中に振り当てられた5時間を使っても、高校生発表を合わせて99題のポスターをすべて拝見するのはさすがに難しく、全体の4分の1くらいのご説明をお聴きするので精一杯でしたが、興味のある研究内容については質問もさせていただいて、深く知ることができました。

 2日目の午後のシンポジウム「希少鳥類から見た南西諸島の生物地理」は期待通りの、いや、期待を上回る素晴らしい内容でした。奄美にも沖縄にも固有種・固有亜種の鳥たちがたくさんいますが、それらについての研究成果を包括的におうかがいする機会はいままでなかったので、大いに参考になり、また刺激を受けました。特に島の面積・島間距離と固有種の種数に注目された高木昌興さんと、ノグチゲラに関しての最新知見を披露された小高信彦さんの講演には興味を覚えました。奄美野鳥の会でともに活動している仲間にも聴かせてやりたい優れた内容だったと思います。

 この夜の懇親会では、数多くの研究者の方とざっくばらんな情報交換ができて楽しいひとときでした。旧友やお会いしたことのある研究者と近況報告を交わしたり、名前のみ存じ上げている方へご挨拶をさしあげたり。そうこうするうちに散会し、知り合ったばかりの方々と二次会になだれ込んだ時点で、初参加の気負いのようなものはすっかりなくなっていました。1日目の夜ではなく、最終日の午後の自由集会になったおかげでいつのまにか度胸がついた感じです。

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アマミヤマシギ.
 そして、迎えた最終日。午前中はふたつのミニシンポを楽しみ、いよいよ午後からの自由集会「やんばると奄美の森で?琉球列島における固有種保全の取り組み?」で私の出番が回ってきました。約50名のオーディエンスの皆さまの前で、これまであまり報告がされたことのないアマミヤマシギの生息状況や行動様式についてお話いたしました。つたない発表内容でしたが、他の方々のフォローもあり、なんとか無事に終わることができました。一緒に発表させていただいた皆さま、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。(自由集会の内容については水田さんが報告書を書かれていますので、こちらをご覧ください。)

 初めて参加した鳥学会の三日間はあっという間に過ぎていきました。プロアマの垣根なく、またベテラン若手問わずに、鳥について自由に話ができるこのような場は、とてもありがたいものです。次回また、奄美の鳥についての研究成果を発表できるよう、精進したいと思っています。



受付日2007.10.22


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「有明・八代海の干潟を楽しむ旅」紀行
   ?日本鳥学会2007年度熊本大会エクスカーションにて?

黒田治男 (兵庫県)


 9月25日 (火) 晴、朝6時、前日までの熊本大学黒髪キャンパスで開催された日本鳥学会2007年度熊本大会のシンポジウムや口頭発表、自由集会に懇親会とまだ少し余韻を残しながら、目覚めた。

 さて、きょうは最終日のエクスカーションへの参加!

 初日の受付で手渡された「エクスカーション案内」の集合時刻を改めて確認し、身支度と朝ごはんを済ませる、もう一度案内に目を通すと小さく「…集り次第出発します」というのに気付き、7時45分までにと急いで部屋を出て交通センターへ向かった。

 この交通センターのバスターミナルは非常に広く、拡大図をみても実際行くと迷うほどであった。それゆえ、ホテルも早く出たのだけれど地下へ潜ってDホームへと進むとスムーズについてしまった。

 貸し切りバスも何台か止まっていたが、ツアー関係者の姿もなく思わず「早すぎた、ここでよかったんだよね」って少し不安になったところ、ゆっくり歩いてくるツァコンSさんの姿が見えホッとした。

「おはようございます」

 その後、ぞくぞくとエクスカーション参加者が現れ交通センター団体バス駐車場が人盛りとなった。

 さっそく、ツァコン S さんの集金、誰もが万札を出し両替待ちでごった返した。それをよそに周囲はわれわれ以外のツアー客も多く、また貸し切りバスも多いので間違って他のバスに乗ってしまいそうであった。ここ熊本では、移動手段が自家用車かバスなので、ほぼ全てのバスは、熊本交通センターを発着する、それゆえバスの台数も多く混雑するというのである。

 さて、7時50分過ぎ、われわれのバスはまだ来なかった!?

 この待ち時間 D ホームは、ボーリング場の下なので換気も悪く、バスの往来が激しいため排気ガスが充満、いたたまれなくなって少し開けたところへ移動した。周囲には、高校生発表ポスターの熊本県立第一高等学校「ヒメアマツバメとイワツバメの営巣について」に登場したヒメアマツバメが乱舞していた。さっそく探鳥と双眼鏡を出そうとしたとき、やっとわれわれの貸し切りバスがお目見えした。

 バスが空きスペースに入ったところで、すぐさま、荷物をもって移動、さっさとバスに乗り込んだ。

ツァコン S さんの点呼も終わり、いざ出発!!

 バスは、交通センターを後に国道3号線へ出て南に走り一路「八代ハーモニーホール」を目指した。バス席に着くと今朝の排気ガスと騒音から抜け出せたことでみなホッと落ち着いた。ただ、ツァコン S さんは出発がやや遅れたことで、いささか焦りの表情も見られた。

 しばらく走ったところで落ち着いたツァコン S さんがマイクを持ち、お決まりの挨拶でいよいよ本格的なツァーの始まりとなった。

しばらく国道3号線を走ったところ、静けさの中、前方のテレビに日本ウエットランドツアー・ビデオの「99' 日本の湿地?時代は変わる」が上映された。

 このビデオは、日本湿地ネットワーク/JAWANより完成したもので「ラムサール条約の登録湿地として保全されるべき豊かな生態系を持つにもかかわらず、開発に脅かされている日本の湿地の現状を、北海道から沖縄まで結んで映像として記録した労作」だそうである。

 このビデオ記録には日本各地の湿地の紹介と現地での活躍の様子をレポートされたもので、今日、同行しているKさんが宮城・蕪栗沼の活躍ぶりを紹介していた。各地の湿地を見ていくなかでやっと九州地方の映像となり、北九州・曽根干潟、福岡・和白干潟、長崎・諫早湾…、と次に「有明・八代海の干潟」かと思いきや沖縄に飛んでしまい、球磨川河口は無いままにすんなり終わってしまった。

 ビデオも終わり、普段の静けさに戻ってしばらくしたら、ようやく右手に八代ハーモニーホールが現れ、バスも右折し駐車場に入って止まった。ツァコン S さんの焦りもよそにバスは9時20分、予定通りの到着となった。

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写真1. 八代ハーモニーホールにて「有明・八代海の生物と環境」の解説をする熊本大学沿岸域環境科学教育研究センターの H 先生.
 八代ハーモニーホールの駐車場から入口までは 2700 m2 (900坪) のせせらぎ水路、ウォーターカーテン、東屋などを備えた芝生広場が広がり、1Fは多目的ホール、2F に500人収容できる市民ホール、3Fには、会議室や研修室があり、われわれは、50人収容できる中会議室入口にある白版を目にしながら入り、順次席についた。

 ここで大会実行委員長Sさんがお目見えし、これから楽しむ干潟の解説へと進んでいった。

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写真2. 八代ハーモニーホールにて「球磨川河口の野鳥たち」の解説をする日本野鳥の会・熊本県支部 T 先生
 まずは、「干潟の生態系について」熊本大学沿岸域環境科学教育研究センターの H 先生に日本に残された干潟の現状を踏まえ「有明・八代海の生物と環境」についてお話しがあり、そのあと日本野鳥の会・熊本県支部 T 先生から「球磨川河口の野鳥たち」のお話へと続きこれから出会う有明・八代海の干潟を思い浮かべた。

 時間も押し迫っているのでトイレ休憩をとってバスへと乗り込み、点呼のあとすぐに出発した。また、国道3号線をしばらく走り、県道、そして農道?の細い道に入っていった。すぐ前方に海岸の堤防が見えかかったところで狭い道に軽トラックが阻んでいて一瞬、「おぅっと!」と声がでるかでないかでツァコンの S さんがバスから駆け降り軽トラの運ちゃんを探して退けてもらった。やっとの思いでバスは、球磨川河口・大鼠蔵観察地点(右岸)堤防下の空き地へと入り止まった。さっそく、おのおの足早に堤防へ駆け寄っていった。

 この河口は、球磨川が運んできた土砂により日本一の広さを誇る三角州が形成され、その先に広大な干潟が発達していた。<参考情報>に「10時30分 右岸側大鼠蔵堤防(観察地点)の干潟出現」とあり、まったくそのとおりで思わず、叫んでしまいそうであった。

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写真3. 球磨川河口・大鼠蔵観察地点(右岸)において干潟観察をしている参加者たち.
 堤防では、八代野鳥愛好会のみなさんがプロミナーを並べ待ちかまえていてくれた。さっそくのぞき込む。トウネン・シロチドリ、う?んホウロクシギ?かな、ダイサギ・コサギ、ウミネコ…思ったより、鳥の数は少なく遠かった。干潟をよ?く見るとカニやトビハゼがうようよしていた。まぁ、干潟が広がってしまえば鳥たちはどこでも餌をとってもいいんだから、遠くてしょうがないか…なんてね。

 さて、堤防は、思ったほどカンカン照りにならず、ときおり風を感じるため過ごしやすく時間の経つのも忘れのんびりと動いていた。

 やがてツァコン S さんの携帯電話に、左岸での準備も整ったとの連絡が入り、「バスへ乗ってください」の声がかかる。

 本日の目玉?の一つである「シャクとり実演」に興味津々である。

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写真4. 左岸に到着してすぐに用意してもらった長靴と履き替える参加者たち.
 左岸へは、11時10分は過ぎていたような感じで到着し、ここで長靴を持参した人はすぐに履き替え、長靴希望者、そして希望していなかった人もひとりひとり長靴の数に余裕があって揃って干潟に入ることができた。中には、熊本に来てからこの日のために長靴を調達したことを自慢していた人もいたかな。

 やがて準備も整い、スコップも数人もって、堤防より階段をつたって干潟へ降りていった。大会実行委員長の S さんは、バケツに「シャク穫りふで」を何本か用意し準備万端さくさくと干潟を進んでいった。みんなあとへ続けー。

 ここで勘違いしてはいけないこととして、いつでもこの干潟に来れば「シャク穫り」ができるというわけでなく、ちゃんと前もって漁協の人に許可を貰っていたため、本日かぎりの「シャク穫り実演」として大切な1日となったのである。

 干潟に恐る恐る降りてみる。泥干潟の感触がじわ?っと感じてきた。泥を跳ねるのを避けてゆっくり歩いているとウミネコが真上を通過、手が届くくらい近い干潟に降りた。こちらがすぐに近づけないのがわかるような感じであった。さて、実行委員長の S さんはみるみる離れていき、後ろから熊本大のH先生が干潟の生物としてトリガイ、シジミそれにオサガニなどを拾いながら説明をしてくれて、みんな近くに群がり話しを聞いていた。

 岸から何キロ離れたのだろうか。前方で大会実行委員長の S さんがみんなに取り囲まれ、直径1メートルほどの大きさに表面の砂を鍬で削り取り、そこへ「シャク穫りふで」を差し込んでいた。

 そうそう、「シャク」は学名「アナシャコ」と呼ばれ、体長15?20cm、干潟に5cm程の巣穴をつくり、その中で生息するエビやシャコに似た生物だそうだ。

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写真5 (左).「シャク獲り実演」に燃えた!大会実行委員長Sさんの後を追い干潟を歩く参加者たち.
写真6 (中).「干潟の生物」を間近に見ながら説明する熊本大のH先生とその話しに聞き入る参加者の群れ.
写真7 (右).「シャク獲り」の熱演をする大会実行委員長Sさんとそれを取り巻く参加者たち.
 その近くで H 先生が、「ワラスボが出た!」との声にみんなが興味の視線をなげていた。映画エイリアンに登場する異星人の顔にそっくりで有明海のものよりも小さいので「チワラスボ(正確にはクチワラスボ?)」であった。

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写真7.「シャク獲り」の熱演をする大会実行委員長 S さんとそれを取り巻く参加者たち.
 干潟でたわむれる時間もあっという間になくなり12時を過ぎようとしていた。ツァコンの S さんも気になってきて「そろそろもどりましょうか」との声に反発し「まだシャクが穫れてません」との大会実行委員長の S さん、なかなか「シャク」をとるのは難しいものだと思った矢先「穫れた!」と同時に「ちっちゃ?い」とかなり小振りではあったが、「シャク穫り実演」は終わった。気持ちは焦りながらゆっくりとみんなが岸の方を向かって一直線となった。岸に上がり靴と履き替えみんな急いでバスに乗った。バスは八代港の昼食会場へと向かった。

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写真9.「もう、腹ぺこ!・いっただきまーす!」「海鮮亭」の昼食風景.
 12時30分過ぎにバスは「海鮮亭」の玄関前で止まった。ツァコンSさんがのれんをくぐり後へ続いた。お膳が並べられたところへ次々と席が決まったかのように座っていき数人は、急いでお茶をくみ、時間の遅れを取り戻すかのように店の人も準備をし始めた。もっとも落ち着かなかったのは、大会実行委員長 S さんとツァコン S さんで飛行機に乗り遅れないかとスケジュールを検討し始めた。そうこうしているうちに店のおばちゃんがバス停まで送ってくれることになり、その場は乗り切れた。

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写真10. 別料金の「シジミ汁?」に、ほくほく顔の F さん.
 やっとみんながホッとしての昼食会になった。なかには、3名ほど別料金で「シジミ汁?」だったか予約していて「注文した人、名のってください」とツァコン S さんの声が響いた。すぐに手があがり3名はいちだんとほくほく顔で汁をすすっていた。

 満腹!!、まだゆっくりとしたいところだったが、昼食会場を出る時間を少しオーバーしていたため、飛行場へ向かう3名とも別れ、バスに乗り、大会実行委員長 S さんと日本野鳥の会・熊本県支部 T 先生に見送られ、同じ道に戻り、交通センターへ向かった。

 バスの中では、今日も終わったとばかり、いびきは聞こえなかったものの、みんなスヤスヤとバスに揺られていた。途中、国道3号線は混雑しているようなところもあったが、バスは15時10分ごろ交通センターに無事到着した。ホッとして眠り込んでいたツァコンSさんも助手席に起こされ、急いでマイクを取った。「まもなくバスターミナルに着きます。お疲れ様でした」と同時に背伸びをする人も何人か見受けられた。

到着!!

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写真11.「バンザーイ!」、大会実行委員長Sさんと日本野鳥の会・熊本県支部T先生のお見送り.
 さっそく、荷物を持って熊本駅へ行く何人か(私も含む)はバス停を案内してくれる強力助っ人の指示に従い、地下を通ってホームへ「熊本駅方面」バスに飛び乗る。

 かなり慌ただしかったが、バスは、熊本駅に着きキップも余裕で買うことができ無事に家路についた。今回、熊本駅と交通センターの間がやけに不便に思えたことでその理由として、「明治時代に、国鉄を引くとき(当時は蒸気機関車)、熊本城が焼けると大変だから離れている」との話しを聞いた。

 さて、自宅についてさっそくパソコンを立ち上げ、溜まったメールを見ながら「2007年度熊本大会」のページの「大会実行委員長な日々」プログ(注:大会終了と同時に公開終了)を覗いてみると「業務終了:最後のメッセージ」で、
「夕方,エクスカーションで使った30足の長靴を一人で洗って干すと腰が痛くなりました。多少の残務整理はありますが、これで私の仕事はおしまいです」
との内容にもういちど「お疲れ様でした」とつぶやいてしまった。

 これも聞いた話であるが、今回のエクスカーションの応募は当初、50名を越える勢いでバスを2台用意しなければと喜んでいたが、その後飛行機の時間調整やもろもろで都合が悪くなってキャンセルが続出、結果40名たらずとなったようだ。キャンセルされた方々には申し訳ないが、とても楽しいツァーだった!!

 この度のエクスカーション企画では、大会実行委員長Sさんをはじめ、熊本大学沿岸域環境科学教育研究センターのH先生、日本野鳥の会・熊本県支部T先生、八代野鳥愛好会のみなさん、ツァコンSさん、強力助っ人の TK さん & OS さんにとてもお世話になり、本当にありがとうございました。



受付日2007.10.05

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編集後記


 秋も深まり、気がつけばもう今年もあと二ヶ月を残すばかりです。私は、もう少し何かを成して年を越したいと研究に精を出している毎日ですが、皆様はいかがでしょうか。
 先月盛会にて終了した、日本鳥学会2007年度大会の記憶さめやらぬ内に、鳥学通信第16号をお届けします。今回は、自由集会報告に加え、大会やエクスカーションの参加報告が盛りだくさんです。また、今回から博物館紹介という企画を始めました。一回目は大坂自然史博物館の和田 岳さんにお願いしています。(副編集長)



 鳥学通信は、皆様からの原稿投稿・企画をお待ちしております。鳥学会への意見、調査のおもしろグッズ、研究アイデア等、読みたい連載ネタ、なんでもよろしいですので会員のみなさまの原稿・意見をお待ちしています。原稿・意見の投稿は、編集長の永田宛 (mailto: ornith_letterslagopus.com) までメールでお願いします。
 鳥学通信は、2月,5月,8月,11月の1日に定期号を発行します。臨時号は、原稿が集まり次第、随時、発行します。







鳥学通信 No.16 (2007年11月1日)
編集・電子出版:日本鳥学会広報委員会
永田尚志(編集長)・山口典之(副編集長)・
天野達也・染谷さやか・高須夫悟・時田賢一・百瀬 浩・和田 岳
Copyright (C) 2005-07 Ornithological Society of Japan

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